NODA MAP 第5回公演

ローリング・ストーン


作・演出 野田秀樹
出演:野田秀樹、羽野晶紀
    阿部サダヲ、西川忠志、他


コクーン

この日は、詰め襟にセーラー服と云う中学生らしきの
一群がいました。修学旅行なのでしょうか。

こんな若い時から、こんな素晴らしい芝居が観られるなんて、
羨ましい時代になったものです。

でも、こんなものを観たばっかりに
道を踏みあやまって(笑)、
役者を目指す人も出てくるのでしょうね。
 
ステージ上には、ジャスパー・ジョーンズを思い起こさせる
人を形取った石(と云う設定)のオブジェが配されています。
ホールには、古き良き時代のフォークソングが流れています。
これは第三舞台のステージ?、
と思わせるような雰囲気の中、芝居が始まりました

暗転、

予想通り、人のオブジェが役者に入れ替わっています。
「なあんだ、思った通り」と思っている矢庭に
野田のセリフが響きわたります。
ゾクゾクっと全身が泡立ちます。
ステージの上には野田の姿は見あたらず、
いったいどこにいるんだ、と声の在処を探すと、
なんと奥の壁に取り付けてある足踏みに取り付いていたのです。

芝居の出だしから、まんまとやられてしまいました。
 
ポスター
ドゥ・マゴ 独特のセリフ回しによるリズム感のある美しい日本語、
肉体の躍動を存分に見せるパフォーマンス、
役者と舞台装置の配置に見せるオブジェ的な美、
なによりもその光の使い方の美しさ、
野田秀樹の舞台は、総合芸術です。

さて、芝居のはねた後は、
お決まりのドゥ・マゴのオープンテラスです。

この日は、初夏のような暖かい日で、
心の中も豊かに冷えたシャンパンで乾杯すれば、
はじける泡に星空が溶けて行きそうでした。

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