新・国立劇場開場記念公演

蒲田行進曲完結編

銀ちゃんが逝く


作・演出 つかこうへい
出演・山崎銀之丞、平栗あつみ、春田純一、山本亨、他


良くも悪くも何かと話題の多い、97年秋に完成した新・国立劇場。
当日は、新宿南口から歩いて向かいました。
初台の駅までは地下鉄で一駅、地図で見てもそんなに距離は無いので
歩いてみたのですが、やはり電車に乗るべきでした。
道沿いに歩いて行くと、オペラシティの界隈が先にあります。
11月の末、折しもクリスマスイルミネーションの飾り付けの真っ最中でした。
点滅するクリスマスツリー。間接照明で浮かび上がる石段。
ムード満点のアプローチです。
オペラシティ入り口
新国立劇場入り口 やはりライトアップされた水の装飾を抜けると、
新・国立劇場の入り口が見えてきます。
少し行き過ぎて全体を見渡すと、こんな感じです。

こんな新・国立劇場のこけら落とし公演として組まれた「銀ちゃんが逝く」。
初演からはもう2年くらい経つでしょうか。東京では2度目の公演です。
蒲田行進曲完結編と云う副題のとおり、蒲田行進曲の続編です。
新国立劇場遠景
ヤスが階段落ちをしたあの時に生まれた子、ルリ子ももう小学生。
しかし、不治の病の侵されてしまっていたのです。
小夏は女優の血には抗えず銀幕に復活。
銀ちゃんは少し落ち目。
その銀ちゃんは、銀幕のスターとしての復活をかけて
函館五稜郭の石段落ちに挑む。
ルリ子の病は、銀ちゃんの出生の秘密とともに、その秘密が明らかにされる。
ルリ子の命の火は消え、銀ちゃんは小夏に切り落とされて五稜郭の石段落ち、
まさにその刹那、ヤスが銀ちゃんを刺す!

おもなプロットを振り返るだけでもドラマチックな芝居です。
当時風間杜夫がやっていた銀ちゃんは、山崎銀之丞です。
幕末純情伝の所にも書きましたが、役者としての色気十分です。
特に、銀ちゃんの様に、ヤスと結婚した小夏とその後も関係を
続けている様なゲスな男、それでいてルリ子にはからっきし弱いピュアな男
そんな役柄がぴったりでした。

脇を固める役者さんたちも、なかなかの出来映えでした。
春田純一、なかなか跡取りが出来ず種なしの誹りを受ける
歌舞伎界の大御所に扮した彼の狂気は、天下一品です。
NHKの朝の連ドラなどにも出ていましたが、
TVの彼は牙を抜かれた虎をみている様で寂しいものがありました。
あの狂気、あのテンションの高さは、是非一度生でご覧あれ。
ポスター


前へ 次へ

ステージみてある記へステージみてある記へ戻る

りゃまへりゃまさんのページのトップに戻る