新・幕末純情伝

1999年再演


作・つかこうへい、演出:岡村俊一
出演:藤谷美和子、筧利夫、春田純一、山崎銀之丞、他
於:銀座セゾン劇場


銀座1丁目交差点

今年で幕を閉じると云う銀座セゾン劇場、
池袋のセゾン美術館に続き、寂しいかぎりです。

思い起こせば、最初に生のつか芝居に触れたのが、
1990年の「飛龍伝」でした。
ベルリンの壁崩壊直後になぜ「飛龍伝」を、
と思ったものでしたが、
10年後、それに匹敵する程のこの日本の変わり様は、
予想だに出来ませんでした。

この芝居の主演は、この芝居での共演をきっかけに
富田靖子と浮き名を流した筧利夫。
奇遇にもその筧利夫で、
私のセゾン美術館も最後になりそうです。
思わずノスタルジックな話でしたが、
さて、お芝居の中身です。

はっきり云って初演の時は、
もうひとつピンと来なくて、
「顔見世興行」だからしかたないか、
と思っていたものです。

ところが今回、結構良かったです。
心に迫ってくるものが有りました。
芝居としての完成度が確実に上がったのだと
思います。

銀ちゃんと筧の個性が相殺しあう様な感じも無く、
二人の魅力を存分に楽しむ事が出来ました。
多分、演出上、二人が一緒に舞台に立つシーンを
減らしたのではないかと思います。

藤谷美和子の衣装も、女性っぽく変わっていて、
それに合わせて演出も少し女性っぽく
変えたのではないか、と云う感じもします。
これもなかなか正解でした。
銀座セゾン劇場

ポスター

さてさて目当てにしていた役者さん3名は、
なかなか良かった訳ですが、
この芝居で、何よりはまってしまったのが、
ハワイアン春田純一です。
舞台上、春田海舟と筧竜馬の
二人だけで相対峙しているシリアスなシーン、
春田純一の何やら変な両手の仕草、
何をやっているのかと思った刹那、
「ハワイアン!!」、です。
あの気合の入った顔と声でこのギャグですから、
さすがの筧も吹き出してしまいました。
この顛末の一部は、RUPのホームページの
筧利夫の劇場日誌にも出ていました。

私、今でも思い出し笑いをしてしまう始末です。

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