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エレベーターを登りパブリックシアターの ロビーに入ると、清志郎が流れています。 「トランジスタ・ラジオ」や「雨上がりの夜空に」 なんかは、私の様な年代の人間には、 とてつもなく懐かしいものです。 でも、何で清志郎なんだろう? と芝居が始まるまでずぅーと妙に思っていました。 さて開演間近、場内の明かりが落ちかけた時、 清志郎の「君が代」が大音響で場内に 流れて来ました。 なるほど、そう云う事だったんですね。 |
言葉遊びに溢れたセリフ、 意味など無いのではないかと思われるその中に 暗示されている物語の意味、 ダイナミックな物語の展開とそれをサポートする音楽、 等々久々に遊民社時代の野田芝居を観る思いでした。 改めて、野田秀樹は天才です。 こんな天才と同時代に生きた事を幸せに思いました。 |
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天海祐希は、完璧なほどチャーミングで美しい。 この世にこんな女性が居るかと訝るほどです。 さすがは宝塚のトップ女優さんです。 これだけでもこの芝居を観る価値がある と云うものです。 と同時に、蜷川版ではこれを大竹しのぶが 演る訳ですから、これを思うだけでも、 またワクワクします。 |
さて、物語にはモチーフとして 二二六事件、太平洋戦争、長崎、原爆と 近代日本の政治的な原風景が取り上げられています。 まるでつか芝居を観る思いです。 2000年になる前に記念碑的な芝居を書きたかった、 と野田はパンフレットに書いていましたが、 とは云え、野田秀樹にすらこう云う芝居を 書かせてしまうこの時代、何か複雑な気持ちがします。 次は蜷川版「パンドラの鐘」です。 布陣から察すると、野田版とは全く違う芝居になりそうな 雰囲気です。 さて、蜷川幸雄はどんな風に受けて立つのでしょう。 |
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