野田地図番外公演

赤鬼'99再演


作・演出 野田秀樹
共同演出 ニミット・ピピットクン
出演:野田秀樹、ドゥァンジャイ・ヒランスリ、ナット・ヌアンペーン、プラディット・プラサートーン、他
99年9月24日
於:シアタートラム


ポスター

カーテンコールでの、タイの役者さん達の
本当にうれしそうな純な笑顔。
この笑顔を見られただけでも、この舞台に
足を運んだ価値があったと云うものです。

こんなピュアさ、日本の役者さんでは
まず遭遇出来ません。
この日は、折しも今年最大の台風18号が
日本を縦断している最中で、
シアタートラムの前も強風が舞っていました。
嵐で浜に打ち寄せられる、「赤鬼」のオープニング
そのままの様な天気でした。

真っ白な舞台に、真っ白な装束の役者。
野田秀樹の舞台は、舞台美術やライティング
美しいのが、また一つの楽しみですが、
今回の日比野克彦による舞台美術は、
期待を裏切らないシンプルで美しいものでした。
台風風のシアタートラム前
当日券を求める人の列 さて初演も観た「赤鬼」ですが、
今回の赤鬼再演は、
日本語で無いセリフの野田芝居に
どれ程表現力が有るのか、
野田秀樹の赤鬼はどんな感じになるのか、
と云うところに、とっても興味が有りました。

野田秀樹が、イヤホンガイドを是非使え、
と書いて有ったので、イヤホンを使いましたが、
音や肉体から伝わってくるテンションと、
僅かな意味のサポートは、なかなか興味深い経験でした。

でも、お能くらいビビッドに来るかな、
と期待していたのですが、そこまででは無かったです。

野田秀樹の「赤鬼」ですが、
シャープでした。

アンガスは、確かに「赤鬼」がぴったりくる
人種であり、風貌でしたが、
野田は、「山姥」が相応しい。
海の向こうから来た異分子と云うよりも、
山中に隠れ住まわざるを得なかった
マイノリティと云う感じで、
シャープで悲しみが増幅されていました。

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