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カーテンコールでの、タイの役者さん達の 本当にうれしそうな純な笑顔。 この笑顔を見られただけでも、この舞台に 足を運んだ価値があったと云うものです。 こんなピュアさ、日本の役者さんでは まず遭遇出来ません。 |
この日は、折しも今年最大の台風18号が 日本を縦断している最中で、 シアタートラムの前も強風が舞っていました。 嵐で浜に打ち寄せられる、「赤鬼」のオープニング そのままの様な天気でした。 真っ白な舞台に、真っ白な装束の役者。 野田秀樹の舞台は、舞台美術やライティング 美しいのが、また一つの楽しみですが、 今回の日比野克彦による舞台美術は、 期待を裏切らないシンプルで美しいものでした。 |
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さて初演も観た「赤鬼」ですが、 今回の赤鬼再演は、 日本語で無いセリフの野田芝居に どれ程表現力が有るのか、 野田秀樹の赤鬼はどんな感じになるのか、 と云うところに、とっても興味が有りました。 野田秀樹が、イヤホンガイドを是非使え、 と書いて有ったので、イヤホンを使いましたが、 音や肉体から伝わってくるテンションと、 僅かな意味のサポートは、なかなか興味深い経験でした。 でも、お能くらいビビッドに来るかな、 と期待していたのですが、そこまででは無かったです。 野田秀樹の「赤鬼」ですが、 シャープでした。 アンガスは、確かに「赤鬼」がぴったりくる 人種であり、風貌でしたが、 野田は、「山姥」が相応しい。 海の向こうから来た異分子と云うよりも、 山中に隠れ住まわざるを得なかった マイノリティと云う感じで、 シャープで悲しみが増幅されていました。 |